2013年11月19日 ④そもそもドロマイト石灰って? ドロマイト石灰とは、鉱石を粉末状に加工した物で、見た目には消石灰との区別はつきません。消石灰との違いは炭酸マグネシウムを含み、粒子が細かく水に溶けやすい、また、物への付着性が良く剥がれにくいといった特性があります。水に溶けると消石灰と同様に強アルカリとなり、病原微生物に対して強い殺菌効果を示します。 当初、私はこのドロマイト石灰を素手で触っていましたが、翌日には手の平が赤くなり、そのうち手の皮がむけたという苦い経験があります。個人差もあるでしょうが、汗で濡れると強アルカリを示すため、素手で触ることは避ける必要があります。 その他の利用法として、当県の大山乳業農業協同組合では、乳牛舎の暑熱対策としてドロマイト石灰を水に溶かした水溶剤を屋根に散布する事業を行っています。ドロマイト石灰は粒子が小さいので動力噴霧器で容易に散布することが可能で、物への付着性が良く、屋根からの輻射熱をある程度カットしてくれるためです。 地元農業改良普及所の調査では、ドロマイト石灰を施した牛舎で2~5℃の温度の低下が認められたと報告されています。今年になり県内では、牛舎の屋根に限らず、敷地の全てが真っ白になっている農家を見かけるようになりました。 ドロマイト石灰の特長をまとめると、①水への溶け易い②動力噴霧器での使用が可能③物への付着性が良い④強力な殺菌効果などが上げられます。 次回は、県牛削蹄師会と家保が協力して行った試験内容についてお話したいと思います。 (つづく) 鳥取県西部家畜保健衛生所 衛生指導担当 |