2013年11月12日 ③趾皮膚炎(しひふえん)の現状について 趾皮膚炎って聞いたことがありますか?疣状(いぼじょう)皮膚炎や乳頭状皮膚炎などの呼び名がありますが、これは牛の趾間部(しかんぶ)の皮膚に限局して認められる皮膚炎で、激しい痛みを伴うことから著しく生産性が低下するもので、酪農家では大きな問題となっています。 国内では1993年に初めて乳牛で確認され、その後、全国のフリーストール牛舎を中心に拡大しています。これはスピロヘータと呼ばれる細菌の関与が原因ではないかと言われています。※私の知るところ、黒毛和種での発生は聞いたことがありませんので、もしあれば教えて下さい。 当県においても趾皮膚炎はフリーストール牛舎を中心に拡大していますが、近年、昔ながらの繋ぎ飼い牛舎でも散発的に発生をしており、増える傾向にあります。 フリーストール牛舎では、フットバスによる消石灰等の蹄浴治療で少しずつ無くすことができますが、繋ぎ飼い牛舎においては蹄浴治療が困難で有効な手立てがありません。削蹄時に発見され、削蹄師の処置に委ねられているのが現状です。 最近になって、趾皮膚炎に対しドロマイト石灰乳の塗布が効果を上げていますが、県内での使用実績が無いことから、今回、県牛削蹄師会と家保が協力して趾皮膚炎に対するドロマイト石灰の効果の検証を行ってみました。 (つづく) 鳥取県西部家畜保健衛生所 衛生指導担当 |