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蓮沼浩のコラム
「第82話 「ラ音の分類」」

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2008年5月1日

今回はラ音の分類を説明してみようと思います。しかしこの分類がなかなか難しいのです。教科書では湿性ラ音、乾性ラ音、混合ラ音などと分けているのですが音を文字で表現するのでなかなか明確な基準が作りにくいのです。そしてそのために獣医さんによって肺の音の評価がかなり異なることが多々あります。小生はもちろん自分で肺音の基準を設けているのですが、他の先生が聞いたら違う評価となる可能性は当然あります。同じ病院内では一応それぞれの先生の基準をそろえておいたほうがいいかもしれませんね。しかしとにかく呼吸と同時に起こるすべての合併音は生理的呼吸音を除けばすべて異常なことです。小生は聴診でそのような音が聞こえたときは「ラ音もしくはラッセル音がある。」と表現し、後はその程度がどのぐらいなのかを決めます。たくさん肺の音を聞いて治療をしていると、この音は手強い肺炎であるなどとよくわかってきます。ラ音が聞こえるときは程度がどのくらいであれ間違いなく肺炎病巣があるので気合を入れて治療に突入です。
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