2013年10月26日 アイメリアの薬にはサルファ剤とトルトラズリル製剤(バイコックス)があります。トルトラズリル製剤の特徴としては、サルファ剤が数日間連続で投与する必要があるのに対し単回の経口投与で効果があること、またサルファ剤がコクシジウムのガメトゴニー期(牛体内でのアイメリアの発育後期、有性生殖期)に対して効果が期待できないのに対し、トルトラズリル製剤は細胞内に寄生するどの発育段階のアイメリアにも効果を発揮するため、牛さんが感染した後いつ投薬を行っても効果を得られるということがあげられます。また、トルトラズリル製剤の薬理作用はコクシジウム原虫に特異的であり、牛さんの細胞には悪影響を及ぼしません。そしてトルトラズリル製剤はアイメリアを攻撃しつつも牛さんの再感染抵抗性獲得を阻害しません。よって、トルトラズリル製剤はアイメリアの予防薬としてとても有効なのです。 前の記事 第9話:寄生虫の話⑦ | 次の記事 第11話:寄生虫の話⑨ |