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数面麻子のコラム
第11話:寄生虫の話⑨

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2013年11月2日

 コクシジウムの予防薬として大変有効なトルトラズリル製剤。私が大学時代マウスを使って調べたところ、アイメリアを初感染(この実験では少数感染を想定)させた後トルトラズリル製剤を初感染から1日目に投与する群、2日目に投与する群、・・・とグループを作って、投与した日の違いによりその後の再感染抵抗性獲得に影響が出るのか調べました。結果は初感染させた日と投薬した日の期間が長い群の方が、後のアイメリアの再感染に対して強い抵抗性を獲得することが分かりました。このことから、子牛さんの場合も感染した後すぐよりは少し時間を空けて投薬してあげることで下痢や血便の発症を防ぎ、なおかつ強い再感染抵抗性も獲得できることが考えられます。牛さんの場合はいつ感染しているのかなかなかわかりにくいのですが、子牛にはきちんと投薬してるのに血便する子がいる、という農場では投薬するタイミングが早すぎる可能性が考えられます。

第11話:寄生虫の話⑨_01

第11話:寄生虫の話⑨_02

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