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蓮沼浩のコラム
第350話:HACCP計画

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2013年10月24日

 危害要因分析を行いその中で重篤性と頻度が高い工程は必須管理点(CCP : critical control point)としてHACCP計画で管理します。この必須管理点とはその工程が家畜・畜産物の安全性確保のために必須であるもののことをいいます。この工程が農場HACCPの肝になります。CCPは牧場で絶対に出してはいけない最重要ポイントです。これをいかにして防ぐか。そのために許容限界の設定、監視モニタリング方法の確立、是正措置の確立、検証方法の決定、文書化及び記録方法の確立をおこないます。

しかし、どの作業も重要だからということですべての工程にこのようなHACCP計画を立てることはしません。一般衛生管理で防ぐことができるものは除外します。本当に牧場にとって重要な問題を管理するのです。しかし、このHACCP計画を立てて運営するということはやはり気持ちの上でなかなか難しいものもあります。起きてはいけないことを起きる前から予防する手順を決めるわけです。人間は、この危険予知をして対策をとるというのが苦手です。どうしても実際に経験しなければ行動を起こしにくいのです。どんなに情報がたくさん入っていても、自分の身にかからなければ行動がとれないのです。農場HACCPはそのような人間の弱点をフォローするシステムとして非常にいいのではと思っています。

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