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蓮沼浩のコラム
「第70話 「聴診器と体温計」」

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2008年1月31日

 世の中には診断をつけるために様々なものがあります。エコー、エックス線、CTスキャン、MRIなどなど。そして血液検査から細菌培養、虫卵検査。まだまだ他にもいっぱいありそうですね。それでは黒毛和牛肥育の診療が中心の小生が毎日毎日一番多くしている検査は一体何だろう・・・。繁殖や乳牛が主な先生は直腸検査が多そうですね。しかし、小生は体温測定と聴診器で牛さんの色々な音を聞いていることがダントツ一番です。当然CT、MRIなどは笑っちゃうぐらい雲の上の存在であり、エックス線やエコーもはるか彼方です。霞んで見えません。でも、肥育牛の治療現場では聴診器と体温計でバリバリがんばっています。そしてこの2つと時々行う血液検査と直腸検査。なんとも心もとなく感じるかもしれませんが、すごい武器だと思っていつも愛用しています。特に小生の心の中では聴診器と体温計と血液検査は肥育牛を診断する際の『三種の神器』といわれています(笑)。あまり肥育牛の世界の体温や聴診について書かれているものを見たことがないので次回から現場の獣医さんがどんなことを考えて体温を測り、どんなことを注意して聴診しているのかを「超独断と偏見」で紹介してみようと思っています。
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