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蓮沼浩のコラム
「第69話 「牛の肺の家畜解剖学 (後編)」」

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2008年1月24日

 牛さんの肺に入った空気は気管支を通り、細かく枝分かれして小葉細気管支 → 終末細気管支 → 呼吸細気管支へとさらに細かく枝分かれしていきます。そして最終的には肺胞管を通り、肺胞へと到達します。あれ?気がついたらかなり面白くない話になってきましたね〜。さて、ここからが本題なのですが牛さんの肺胞管は家畜の中ではもっとも短く、枝分かれも少なく、さらには肺胞管の径も他の家畜と比べて小さいことがわかっています。これらの特徴から肺胞は他の家畜と比べて感染が成立しやすく、肺の深部が低酸素または無酸素状態となりガス交換に支障が出やすく、さらには肺胞マクロファージの食作用にも悪影響を及ぼすと考えられています。肺の容量を見ると牛は12400ml、馬は42000mlであり馬の約30%。しかし酸素消費量を見ると牛は124950ml/分、馬は49403ml/分であり馬の約250%。馬と比較するとガス交換能は高いけれどもその分気管を通る空気の速度が速く、肺の深部まで細菌、ウイルス、アンモニアガスなどの汚染物質に暴露する確立が高い。う〜ん、困ったな・・・さらに話が面白くなくなってきました(笑)。もうどうしようもないので以下にまとめます。

結論

「上記のような理屈はもうどうでもよい。しかしどうやらよくわからんが牛さんは家畜の中でも特に肺炎になりやすいそうだ。だからほったらかしにしないでそれぞれ色々工夫して何とか肺炎から守ってあげる努力をしよう。」

以上です。

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