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ゲストのコラム
冬場の役に立たないアイディア(第二回)

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2013年9月24日

穴と断熱と私

私が本気で子牛と携わるようになったのは、2011年12月…

とある事情で今まで生後3日で引き取られていた子牛達を、今度は自分達で育てなければならなくなりました。

しばらく様子を見ていましたが、とにかく事故が多い…
『和牛は弱いから』と、よく聞かされていましたがここまで弱い生き物かと思う程、子牛が病気になっていく。 親牛に餌をあげたり牛舎の掃除を手伝うくらいしかしたことのない私には、それを防ぐ手立ても知識も何もなく、ただ見ているしか出来ない毎日でした。

が、あまりの事故の多さに『このままではうちは潰れてしまう・・』と一念発起し、子牛の哺育を手伝うようになりました。

やり進めて行くうちに自分なりに勉強もし、少しずつ牛の事がわかってきた中で思ったことは…

『和牛が弱いから事故が多いんじゃ無くて うちの飼養管理に問題が大ありなんじゃないか!!!』ということでした…

色々な問題点を見出しはした物の、改善方法を考える余裕もなく、ただ具合の悪い子の治療に明け暮れる日々を過ごし、無力さと子牛達への申し訳なさで精神的にかなり参っていました。

『来年の冬はもう少しいい環境にしてやりたい…』と、周りの方にご教示頂き、よりよい環境を考えてあげられる知識を多少手に入れたので、とりあえず実行してみようと思いつくことを財布が許す範囲でやってみることにしました。

そんな少ない知識の中で最も重要だと思ったのが【隙間風があたらないようにする事】と【お腹を冷やさないようにする事】でした。

そこでまず着手したのが牛舎の壁!
我が家の分娩牛舎の壁は ブルーシートのみ…
いえ…ブルーシートが悪いわけではありません。 悪いのはブルーシートに開いた穴です。
最初の冬はその穴から雪が吹き込んでくるような状態だったため、そこにスタイルホームを打ち付けました。

穴も防げて断熱も出来る一石二鳥の【壁】と呼べるものが出来上がりました。
窓からの隙間風も防ぎたかったので、取り外し可能な状態で窓も塞ぎました。

これで隙間風問題は多少改善されました。

次は「腹を冷やさない為の対策」ですが、それは次回『黒い生き物・銀の敷物』にてお届けしたいと思います。

(つづく)

有限会社伸託 取締役 山口 由紀子

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