2013年9月14日 牛さんに下痢や血便を起こす原因の1つとして知られるコクシジウム。そのコクシジウム感染症を引き起こすのはコクシジウム類の中のEimeria(アイメリア) 科Eimeria属に分類される原虫です。牛に寄生するアイメリア属は何種類かあるのですが、病原性が強いため問題となるのはEimria bovis(ボビス)とEimeria zuernii(ツルニ)の2種類です。 アイメリアは牛さんの糞便とともにオーシスト(寄生虫の話①の写真参照)と呼ばれる形で体外に排出され、再び牛さんに経口摂取されるのを待っています。オーシストの形や大きさなどはアイメリアの種類によってそれぞれ異なるため、糞便でアイメリアの検査をする際はその違いによりボビス、ツルニやその他のアイメリアを区別します。オーシストはいつ牛さんの体中に侵入できるか分からないため、少々のことでは死滅しないような構造になっています。オーシストは自然環境下で1から2年は牛さんに感染できる力を保持しているともいわれており、また日常使用している消毒薬に対しても強い抵抗性を持っています。 前の記事 第3話:寄生虫の話① | 次の記事 第5話:寄生虫の話③ |