2013年9月13日 (2)卵管 卵管は卵巣と子宮をつないでいて、卵子を子宮へと運ぶ器官ですが、ただ単純に2つを結びつけているだけではありません。 卵管の卵巣側はロート状に広がっていて、その先端は正確には腹腔に開口しています。つまり、卵巣と卵管は直接的に管で繋がっているわけではないんですね。精巣と精管の関係とは違うところが大切です。 この様に、卵巣は卵管の一部に包まれていて、卵子は包まれている膜にキャッチされないと、子宮まで運ばれません。人工受精などの際に、直腸検査であまりに 卵巣を触診しすぎると、この卵巣を包んでいる膜の部分が剥がれてしまって、せっかく排卵した卵子がキャッチされず、卵管に運ばれないので、結果的に受精も 受胎もしないということが起こる可能性があります。排卵前の卵巣(卵胞)を触診しすぎると、卵胞内に異常な圧力がかかって卵子が死滅したり、出血が起きた りする場合もあるので、発情期の卵巣の触診は慎重に行うか、可能であれば避けるべきです。 発情はちゃんと来るのに種がつかない場合には、この様な原因も考える必要があります。 前の記事 牛の解剖121:雌性生殖器(4) | 次の記事 牛の解剖123:雌性生殖器(6) |