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蓮沼浩のコラム
「第56話 「子牛への輸血について。」」

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2007年10月18日

 生後3ヶ月以内の子牛にウイルス?が疑われる難治性の下痢が続いたり、虚弱児で生まれ疾病を繰り返したりする場合に小生は輸血をすることがあります。ほとんどの症例で初回から輸血することはありませんが、治療をしていてどうしても状態が改善しない場合に使うことが多いです。大体500mlを最大で3日続けます。輸血を行った感触としては結構いいのでは?と思っています。しかし何故輸血に効果があるのかについては実はあまりよくわかっていません。一般的には血液中の抗体などの免疫物質が作用するからだということがいわれたりしていますが文献などをまだ見たことがないのでなんともいえません。小生の勉強不足の可能性も多々ありますが・・・。これからの研究に期待します。先日鳥取で行われた全共のオフ会で田原口先生に「時々胸腺の低形成の子牛がいる。病気の治療の一環としてその子に輸血するのはもちろんいいのだが、最近輸血後時間がたってから死亡する事故があり頭を悩ませている。」と教えていただきました。幸い小生はまだそのような症例にあたったことはないのですが、他の先生からも聞いたことがあります。輸血などしないですむのならそれに越したことは無いのですが、今後もし子牛に輸血をする機会があった場合は何が原因かはわかりませんが、一応交叉適合試験をしてから輸血をしてみようと考えています。田原口先生、色々教えてくださり本当にありがとうございました。
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