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蓮沼浩のコラム
「第53話 「どのような時輸血をするのか?」」

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2007年9月27日

 前回までは色々と輸血の基本的知識に関することを書いてきました。さて、実は今回からが本題です。輸血、輸血といっても一体どのようなときに使うのか?ここが一番重要なポイントです。ここがしっかりしていなければ輸血をする意味が全くありません。でも、実はあまり書きたくないのですよ・・・。何故かというと臨床現場では細かく色々検査してその結果輸血が必要であると判断して輸血を行っているわけではないからです。臨床症状や治療に対する反応からこれこれしかじかの理由で輸血はきっと効果があるだろう?という独断と偏見の混在した怪しげな判断で行っている場合が多いのです。実はその根拠が間違っている可能性もあるのです。では何故そのような状況で使わざるをえないのか?それは牛さんの治療における輸血に関する実験や論文がほとんど無いからです。専門の研究者ではないから文献の探し方が悪い可能性も大いにありますが、小生が出来る範囲で色々調べてみてもしっかりとしたものは「慢性肺炎」と「血腫」と「貧血」に対する治療法の報告があるぐらいであとはチョロチョロっと書いてあるようなものしかありません。今後の臨床研究に期待しましょう。それでは次回から小生がどのような場合に使うかを紹介しますね。
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