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蓮沼浩のコラム
「第52話 「輸血反応の治療」」

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2007年9月20日

 輸血をしていて何か少し様子がおかしいぞ?と感じたらすぐに輸血を中止してください。時には投与速度が速すぎることが問題の場合もあるかもしれませんが異常を感じたら輸血は断念してやめる。これが基本中の基本です。そしてすぐ等リンなどの電解質補液を行う。アナフィラキシー反応は特にヒスタミンの発生が問題となります。アナフィラキシー反応の特効薬としてはこのヒスタミンの効果を抑制するエピネフリン(アドレナリン)がナンバーワンです。ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン薬はヒスタミンの競合的阻害薬であり、発生してしまったヒスタミンの作用を抑制することはできません。また、副腎皮質ホルモンは強力な抗炎症作用とエピネフリンの効果を増強する作用がありますが特効薬ではありません。もちろん効果がないわけではありませんし、共に非常に有効であることは間違いありません。症状の軽いときは抗ヒスタミン薬や副腎皮質ホルモンで十分です。でもほとんど使うことがありませんが緊急用としてエピネフリン注射液(1mg/ml)は持っていても良いかもしれませんね。
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