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蓮沼浩のコラム
第341話:フードチェーンの一員として

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2013年8月22日

 フードチェーンという言葉があります。これは生産段階である農場、流通加工段階である加工場や流通業者、そして消費段階としての消費者。この各段階で畜産物の安全性に取り組むことで初めて最終的な製品の安全性が保たれるという考えです。なかなか普段はこのような概念を意識してはいませんが、実は畜産農家さんも獣医師も知らないうちにこのフードチェーンの枠組みの中で働いているのです。獣医師を例にすれば、たとえば小生は日ごろから農場で肥育牛の治療をするときには使用した薬剤の出荷規制というものに非常に神経を使います。もちろんこれは食肉中に抗生物質の残留がないようにするためです。そして食肉検査場の獣医師の先生もと畜した牛肉が安全であるかの確認を行います。食肉加工場でも徹底した衛生管理を行い、流通業者さんも温度管理などに配慮して最終的に消費者のもとに届けられた食肉を衛生的に調理して食べていただく。みんなフードチェーンでつながっているんだな~。農場HACCPを始めるにあたって、自分の農場はこのフードチェーンの一員なんだと思うことが非常に大切になってきます。

第341話:フードチェーンの一員として

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