(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.246:勝手な固定観念

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2013年8月21日

思い込みや固定観念によって、個人の自由な発想や行動が制限されると極端に人間や組織は伸びなくなる・・・と私は常に思っている

逆に失敗してもいいから思い切って自由にやらせてあげた場合、飛躍的な成長が得られることも

思い込みや固定観念で一番厄介な怖いのが、特にそうする理由もわからないのにルーチン化されてしまったがために行っている行動
その場合、本来有意であるはずの行動も、真理がすり抜けた単なる儀式に成り下がる

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さて、ここからは去勢における私の思い込みについて・・・

従来の観血去勢はおそらく100%莢膜を剥いて行われていたと思われます
もちろんシェパードでもそうしておりました

NO.246:勝手な固定観念02

NO.246:勝手な固定観念03

NO.246:勝手な固定観念04

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その行動の真意は・・・
実はあまり考えたことがありませんでした(;´Д`A

今になって考えてみると、

・莢膜を剥いておけば精巣が近位(お腹の方)へ引っ張られることがなく、作業しやすい
・精巣と精巣上体を易視覚化させ、除去ミスを無くせる
・莢膜の付いたまま結紮すると、内部の精索がスリップし不正出血を起こしてしまう可能性がある

などの理由があったものと思われます

捻転去勢を始めてからも、習慣的に莢膜を剥いて去勢していた(儀式化)のですが・・・
結紮をせず、短時間で終わる捻転矯正においてはそれらは一切心配しなくていいことに気がつきました( ̄O ̄;)

陰嚢を切皮して、顔を出した精巣を引き出し
後は伏見式捻転矯正ツールを引っ掛けてインパクトなどで捻じるだけ

NO.246:勝手な固定観念01
(右が莢膜付きで去勢したもの)

汚染の機会も作業の手間も圧倒的に減りました
莢膜を剥こうとして精巣の中身が飛び出したり、莢膜に付いている血管から出血させるということもなくなると思います

NO.246:勝手な固定観念07

なんのことはない・・・莢膜を剥かなくてはいけないという固定観念に囚われていただけでした!!

しかし、新しい取り組みには大きな落とし穴がつきもの!!
もしこれで牛に不都合などがあるようであれば、この方法は中止します
現在のところありませんがもし見られた場合には追って報告します

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