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光触媒の新しい可能性 |
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2013年7月22日
いまシェパードで注目している新しい衛生技術があります。それは、二酸化チタンによる「防汚染」「消臭」「殺菌・殺ウイルス」効果です。
二酸化チタンは、食品や化粧品などにも使用されているので(頭痛薬のバファリンやチョコボールの白い部分、ファンデーションや日焼け止めなど)、安全性は高いものです。また二酸化チタンを溶着させたタイルを貼り付けて、トイレの消臭や看護施設の消臭殺菌に利用されたりもしています。
これまでも二酸化チタンの技術は「光を当てると活性酸素を発生し消臭・防汚染・殺菌作用がある」ということは知られていましたし、実際に建物の外壁などには利用されてきました。しかし、発見されて30年にもなる二酸化チタンが、なぜこれまであまり普及してこなかったのか?
それ理由は大きく二つあります。ひとつは、これまでの二酸化チタンは「粒子径が大きい(50ナノメートル)」ということに関連します。壁に小石をくっつけようとしてもつきませんよね?砂でも同様です。でももっと小さい粒子のホコリだったら静電気で付着します。それがものすごく小さな粒子(2ナノメートル程度)になったら、ファンデルワールス力(分子間力)という力で半永久的に結合するのです。
じつはこれまでの二酸化チタンでは、ファンデルワールス力でくっつかない大きさ(50ナノメートル)だったため、付着させるのに「のり」が必要でした。しかし「のりの厚さが200マイクロメートルもあるために、「のり」の中に埋まった二酸化チタンの粒子は効果を現しません。これに対して、新しい二酸化チタン(nanoYoチタンといいます)は、ファンデルワールス力で決着するので「のり」が不要です。アルコールに混ぜてスプレーすればよいのです。
のりを使わないので、施工が簡便ですし、効力が高く、また二酸化チタンを溶着したタイルを貼り付ける広報に比べると圧倒的にコストが安くなります。
理由の二つ目は次回に回すとして、写真は鶏舎の空気清浄フィルターでnanoYoチタン施工したものと施工していないものの、半年後の比較です。施工していないものはホコリだらけで真っ黒ですが、施工してある方は全くホコリの付着が見られません。この効果だけでも畜舎の扇風機や天井に利用できると思いませんか?

(続く)
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