2013年7月5日 (8)陰茎 牛の陰茎は、人間と比較した場合、2つの点で特徴的だと言えます。1つは、常にある程度の硬さを持った“線維弾性型”の陰茎であるという事。もう一点は、“S状曲”と呼ばれる特徴的な構造がある事です。 1つ目は陰茎のタイプ分けの話になるのですが、人や馬では海綿体と呼ばれる組織が豊富にあり、血液供給の多少で陰茎の硬さが変化する“筋海綿体型”というタイプです。一方、牛はこの海綿体というものは少なく、線維弾性組織と呼ばれる硬い組織が主体です。尿道バイパス手術の時には、この陰茎ごと尿道を切るのですが、陰茎を切る時の感覚はまさに太い靭帯や腱を切っている感じで“ジャリッ!!”というような感触があります。海綿体が少ないため、性的興奮により陰茎血流量が増えても、筋海綿体型の陰茎ほどは太さや長さや硬さに変化はありません。 ではどうやって陰茎は包皮から露出してくるかというと、ここで2つ目の特徴であるS状曲が関わってくるのです。普段はS字に折りたたまれるように存在している陰茎ですが、これがまっすぐ伸びることで見かけ上の長さが変化し、陰茎が包皮から露出してくるのです。 前の記事 休題 ―去勢あれこれ(4)― | 次の記事 割り込みコラム ―ヘンダーソン去勢器具― |