2013年6月25日 10 産地づくり(新ひだか町静内にて) 新ひだか町静内では静内和牛改良組合設立10周年を記念し、2月に式典が盛大に開催されました。九州や関東など全国各地からたくさんの人が駆けつけ、思い出話に花が咲きました。その時の様子は、「養牛の友」平成25年3月号に詳細に書かれているので、是非ご一読ください。 静内では生産者をはじめ関係機関が協力して、これまで様々な取り組みを実施してきました。そのことを、渡辺組合長が記念式典式辞で述べられていましたので、その言葉を引用させてもらいます。 「組合発足と同時に設置した指導部会は、町・農協・普及センター・共済組合・家畜保健所・組合役員による構成で、生産者への育成・繁殖・経営指導等問題解決に向け、助言を行ってきました。又、組合では年数回の研修・視察・購買者への表敬訪問・精液の確保・市場上場牛の販売戦略等、関係機関の助言指導を得ながら、きめの細かい体制で市場性の高い生産技術の構築に努力しています。このような取り組みが高く評価され、各地での発表や専門誌の取材なども数多く受けてきました」 静内は平成16年に繁殖牛が200頭しかいませんでしたが、肉牛導入事業やきめ細かい技術支援などを展開した結果、平成24年には1200頭近くまで増えました。発育が良好なため市場での子牛評価は高く、常に市場平均以上の価格で競られています。北海道の和牛産地として1,2を争うまでに発展しました。静内和子牛の特徴は揃いの良さだと思います。農家さんは飼養管理マニュアルにそって、腹づくりと健康を中心に子牛育成に取り組んでいます。その結果、購買後の肥育結果が良好だから、静内牛を求めてたくさんの方が競ってくれるのだと思います。子牛の産地として必要な、高いレベルの斉一性が図られているのです。 私は技術専門誌などでこれまでも繰り返し述べてきましたが、肥育結果の良否は肥育素牛で半分が決まります。いかに肥育に適した子牛を育成するかが重要です。様々な取り組みを通じ、静内はそういった条件に合う子牛を生産できる産地として、地歩を固めたと言えます。 肉牛導入時から、飼養管理技術や交配計画に対する助言などを関係機関の一員となって展開し、年間売上が今では4億円に達するなどの結果を残すことが出来ました。そういった振興時期に中心となってお手伝いできた私は、本当に幸せ者です。 私はこの後も伊達、士幌、別海と、何カ所かの普及センターを転勤して歩きました。その時のお話しは、またの機会にコラムとしたいと思います。 おしまい 根室農業改良普及センター 出雲 将之 前の記事 牛さんとわたし (出雲普及員のコラム4-9) | 次の記事 舞子ぷらずま☆—今牛舎で読みたい本10選—第1回 |