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蓮沼浩のコラム
「第27話 「腎臓の病気は厄介です。」」

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2007年3月22日

 今まで尿石症に関連することを色々と述べてきましたが今回で最後です。とにかく小生が現場で困ったり、悩んだりしてきたことを思い出しながら書いてみました。尿石症はせっかく手術がうまくいって安心していたらまた石が詰まったり、餌をあまり食べなかったり、牛さんが大きくならなかったり、腎臓がめちゃくちゃだったりとなかなか厄介な病気です。小生のささやかな経験則では手術をした後に再発する牛さんは何かしら重大な問題を体に抱えている場合が多いような気がします。特に腎臓結石が疑われる場合は今後の治療も含めて農家さんと十分に治療方針を検討していく必要があります。また現在は遺伝子の研究も進みCL16欠損症などの問題もあります。血統の確認も大切です。最近は以前と比べて格段に尿石症の発生は減りましたが、発生すると重症の場合が多い気がします。尿閉というひとつの臨床症状の後ろに隠れている問題は本当に多種多様。なかなか難しく、これからまだまだ勉強です。腎臓が悪い場合は残念ながら途中退場となる場合が多いですが、今までのコラムを何かの参考にして絶体絶命のピンチを乗り越えてもらえたら幸いです。とにかく排尿さえさせることが出来れば何とか考える時間は出来ますから(笑)。
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