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蓮沼浩のコラム
「第26話 「嗚呼、腎臓が・・・(涙)」」

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2007年3月15日

 尿石症を発症する牛さんの中には他の牛さんと比べて妙に発育が悪い個体がいます。バイパス手術の後、排尿もしっかりしていて問題ないのですが39℃弱の微熱が続き、食欲も今ひとつ。抗生剤、ビタミン剤、補液、消炎剤などを投与し何日か治療すると食欲もあがってきて経過観察。でもやっぱり今ひとつ・・・。このような場合は意外と高確率で腎不全、特に「腎臓結石」を患っている場合が多いです。なんとなく怪しいと思ったら血液検査でBUNとクレアチニンを測ってみてください。肥育牛のBUNは小生の測る検査機関ではほとんど25以下です。30以上は何かおかしいと考えてください。ただし脱水が進んでいる場合はBUNの数値が上がるのでPCV(ヘマトクリット値)を確認するのを忘れずに。クレアチニンの値も大体1.00〜1.25ぐらいの間です。これが3.00とかひどい場合は20以上なんていう場合は間違いなく腎臓に何か問題があります。エコーや尿検査などを行えばもっと詳しく診断できるのでしょうが小生はまだ出来ていません。でも血液検査で腎機能に問題が発覚した牛さんは残念ながら治る見込みは・・・・絶望的です!ゴメン(涙)!
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