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蓮沼浩のコラム
「第22話 「手術の流れ (前編)」」

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2007年2月22日

 さて今回は坐骨直腸窩膀胱瘻形成術を行う手順を具体的に説明してみようと思います。方法は他にもあるかもしれませんが一つの参考にしてみてください。手術に必要な道具は特製套管針、メス、局所麻酔薬、消毒薬、カテーテル(1m程度)、持針器、角針、糸ぐらいのものではないでしょうか。後はそれぞれ必要なものを状況に応じてそろえればよいと思います。

〜手術の手順〜
① 牛さんを枠場に入れて尻尾を固定する。ここは尿石症の手術と同じです。
② 肛門の横(約3~5cm)の毛を剃る。小生は右利きであり直腸検査はいつも左手で行うので肛門の右側を剃ります。剃る面積は毛も少ないし5cm×5cmもやれば十分。
③ 術面の消毒。各自普段の手術でやるようにやってください。
④ 尾椎麻酔をかける。小生の場合は20ml入りの塩酸プロカインを使うので4~5ml投与した後残りの16mlほどを剃毛したところに1箇所思いっきり刺して引きながら局所麻酔します。
⑤ 麻酔が効いてきたらメスで約1cm切皮。ここから套管針を刺す。
⑥ 直腸検査をして膀胱の位置を確認。宿便は手術の前に出しておくこと。
写真を出来るだけ多く載せたいので今回はここまでとします。続きは次回ですのでどうぞよろしく!

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