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蓮沼浩のコラム
「第23話 「手術の流れ (後編)」」

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2007年3月1日

⑦ 特製套管針を切皮したところからゆっくりと刺していく。最初はごつい針をありえない場所から刺していくのでかなりビビる(笑)。刺すときは とにかく直腸検査で入っている腕にそって直腸や余計な場所を傷つけないようにとにかくゆっくりゆっくり丁寧に。意外と力がいる場合もあるけど力加減は何度かやって勘をつかんでください(笑)。⑧ 膀胱の手前に来たら気合を入れて尿で膨らんだ膀胱を突き刺す!ここが意外と難しく最初に入れた角度が悪いとうまく刺さりません。そのときは一度少し引き戻した後に角度をつけてもう一度チャレンジ。
⑨ 完全に差し込んだら内套をゆっくり抜く。うまくいっていれば内套を抜いた瞬間に外套の中から尿があふれ出てくる。
⑩ すぐさまカテーテルを膀胱まで通し、留置する。抜けないように幾分多めにカテーテルを膀胱内に入れておくと良い。また、カテーテルは目詰まり防止のために先のほうは何箇所か穴をあけておきます。
⑪ 時々膀胱に刺した後、内套を抜いても膀胱内圧が低く尿が出てこない場合があります。刺さっていないと思いきやしっかり刺さっているので膀胱を刺した後はとにかく一度カテーテルを通してみてください。カテーテルから尿が出てこなかったらもう一度⑧からやり直し。
⑫ 外套をゆっくりと抜く。あわてない、あわてない。
⑬ 皮膚にカテーテルを縫いつけ、念のため瞬間接着剤で固定。これで終了です。
⑭ 最後に重要なポイントですが、同居牛がいるとカテーテルをくわえて引っ張り出してしまう事があるので他の牛さんがいたずらできないところで飼養管理するように。(小生は過去に1回隣のマスの牛さんにカテーテルをひっこ抜かれたことがあります。泣きが入りました。)
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