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手術を順調に進めていき尿道までアプローチしたところで手が止まります。「あれ?S状曲のあたりに石が詰まっていないな〜。どこに石が詰まっているのだろう?」と思いつつも尿道を少し引き出した後に何となく嫌な気分で尿道を切断します。普段であれば尿道から尿がシャッ!と出てくるはずなのに何も出てきません??あれれ・・・手術をしたのに小便が出てこない!!このような経験をされた先生は多いのではないでしょうか。そう、実はこれからが勝負なのです。アドレナリンも出てきます(笑)。小生も「こりゃ〜気合入れにゃ〜あかん!」と過去の嫌な思い出とともにテンションがあがります。それにしてもこのような状況になるのには一体どのような原因があるのでしょう。これまでのささやかな経験から思いつくものを挙げてみました。 ① 尿道内膜が重度の炎症を起こし狭窄している。内膜はひどい場合は黒色にちかい。 ② 膀胱内に膿やら結石やら粘膜のはがれたのやらフィブリンやらがたまっていて出口をふさいでいる。①を併発する場合がある。 ③ 尿道の切断部より膀胱側に石が詰まっている。びっしり詰まっていることが多い。 大体このような状況の場合があるのではないでしょうか。そして問題なのはほとんどの症例が程度の差こそあれ膀胱炎を併発しており膀胱麻痺を起こしているのです。直検すると膀胱はパンパンです!困ったけどさあどうする!
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