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蓮沼浩のコラム
「第17話 「尿石症の手術について」」

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2007年1月4日

 肥育牛の尿石症の手術を小生は立位で会陰部を切開し、そこから尿道を引き出したあと尿道を切断し、外側にバイパスする方法を使っています。いろいろ術式はあるのですが、おそらくこの方法を使う獣医さんが一番多いのではないでしょうか。単純な尿石症の場合は術創から手を入れて尿道を触診していくとS状曲の近辺に結石を触ることが出来ます。この場合結石を破砕することが出来ればよいのですがたいていバイパスを作って後ろにおしっこが出るようにしています。手術自体も非常にシンプルであり、尿道を切断した瞬間に尿道から尿がシャッ!とでてきます。シャーシャーと出る場合もあります。小生の感じとしては石が詰まってから手術までの時間が早いほど尿が良く出るような気がします。後は縫合しておしまいです。このような場合は予後も比較的良いですし特に問題もないのですが、手術をしていて非常に困る厄介な場合があります。最近尿石症の手術は減ってきたのですが時々手術をするときにこの厄介な場合に当たることが多いような気がしています。単純な場合はいいのですが、実はこの厄介な場合をどのようにして乗り切るかということが非常に重要です。次回からこの厄介な場合を検討してみようと思います。
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