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今回はどのような牛さんに蛋白分画の検査を実施するか小生なりの基準を述べてみようと思います(肥育牛の場合)。 1. それぞれの肥育ステージで妙に発育が悪い牛さん。 2. 治療をしても再発を何度も繰り返す牛さん。 3. “臨床家の勘”として何か漠然と異常を感じたとき。 大体このようなときに検査しますが、一番多いのはやはり治療と絡んだ2のときかもしれません。検査結果の判断として一番重視するのはγ−グロブリンの値です。ここの値が高い牛さんは要注意しています。逆にα−グロブリンだけが高い場合は治療をして時間がたてば症状も落ち着くだろうと考え予後はあまり心配しません(ただし、異常に高い時は創傷性疾患の初期の場合があるので磁石を飲ませることはあります)。αとγはよくわかるのですが、β−グロブリンは意外と判断が難しいのであまり使いこなせていません。ただしβとγの値が高く、二つの領域の間がつながっている場合はβ−γブリッジといい、残念ながらかなり悪い状態であることがわかります。左の表にγ−グロブリン値の小生の大体の診断基準を載せてみました。大まかですが診断の一助になれば幸いです。
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