2013年5月16日 枝肉重量。これは非常に重要です。肉質ももちろん大切なのですが、この枝肉重量がなければ売り上げがあがりません。そこで多くの農家さん達は少しでも肥育した牛さんが大きくなるように日々努力しています。しかし、食肉会社では大きさに関して様々な取り決めがあります。普通出荷の時は枝肉重量が530㎏を超える場合は「大貫引き(だいかんびき)」となると場もありますし、いくら大きくても問題ないところもあります。ちなみにこの「大貫引き」というのはたとえば枝肉重量が530㎏で制限されているのにそれ以上の枝肉重量がある場合は枝肉単価が下げられてしまうことをいいます。ちょっと極端ですが例をあげますと、枝肉単価2000円(A5-10)で枝重530㎏ならば1060000円ですが、これが同じA5-10でも、枝肉重量が650kgあると1630円ぐらいに落とされてしまうのです。なので自分の育てた牛さんがどのくらいの枝肉重量が取れるのかを推測することは非常に重要なこととなり、大きいようであれば出荷先を色々検討する必要があるのです。品評会などでは枝肉重量制限がかかっている場合が多いので出荷前から綿密に体重計で体重を測定して出品牛を選定しますが、これが普通出荷だと見た目の感覚で農家さんが選ぶ場合がほとんどなのです。するとこんなことが起きます。 「あちゃ~~~、先生!牛が思ったより大きくてね~~~、思いっきり大貫でしたよ。全然牛は大きくないと思っていたんだけどね~~。50kg以上の肉を損しちゃったよ!」 たとえば50kgで単価1700円ならば85000円です。せっかく子牛を導入する時には必死になって1000円単位でギリギリのところでセリ落として買ってきているのに出荷する時にちょっとした不注意からもったいないことになりますので要注意です。 前の記事 第327話: 飼養衛生管理基準(牛、水牛、鹿、めん羊、山羊)その8 | 次の記事 第329話:しもた!!大貫じゃ~~~!その2 |