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牛さんとわたし (出雲普及員のコラム4-3)

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2013年5月7日

3 和牛青年との出会い(留萌にて)

 小平町では、農業後継者育成資金を借りて和牛飼育を始めた青年とのつきあいが、繁殖牛飼養管理の基礎技術を私自身が習得するうえでずいぶん役に立ちました。青年が、繁殖基礎牛を導入するためのお手伝いを、まずはさせて頂きました。良い子牛を生産するためには、なんと言っても優良な繁殖牛が欠かせません。そこで当時の道内先進地へ牛を見に行き、市場出荷前に目をつけておいたその雌牛を購入できるように手配し、狙いどおり優良牛を導入しました。当時導入した牛の名前「たまこ」や「ゆきとみ」は、今でも忘れられません。

 その青年は和牛部門が農業経営に貢献した過程をプロジェクトととしてまとめ、発表したものが全道大会で最優秀賞を獲得し、全国大会出場に選ばれました。支援した私も一緒に東京代々木のオリンピックセンターへ行ったことは、良い思い出となりました。またプロジェクトをまとめる過程で、繁殖成績や子牛の発育が和牛経営に及ぼす影響が学習でき、青年はもちろんのこと私自身勉強になりました。

 導入牛の「たまこ」と「ゆきとみ」はその体型の良さから全道和牛能力共進会出品牛に選ばれ、普及センターからは私が2頭の出品牛と一緒に共進会へ行かせてもらうことになりました。出品前の引き運動などを体験させてもらい、本当に良い勉強となりました。大会はさすが全道から優良牛が集まってくるだけあって、残念ながら一歩前に進むことはできませんでした。しかし共進会を通じて2頭の牛さんと真剣につきあったおかげで、牛の見方や調教方法が勉強できました。
 和牛の場合、優良な雌牛を保留しながら牛群レベルを向上させる必要があります。どの雌牛を保留すれば良いかの判断力を養うためにも、共進会への参加は大事なことだと思います。皆さんもこれはという種牛(雌牛)がいれば、是非地元の共進会への参加をお勧めします。

牛さんとわたし (出雲普及員のコラム4-3)

つづく

根室農業改良普及センター 出雲 将之

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