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発酵床レポート! 第10話

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2013年4月9日

新しい方法で進化していく発酵床!

 さて、今回ご紹介する農場は、以前こちらのコラムで執筆されていました遠藤ママこと、遠藤裕子さんが経営する北海道十勝管内士幌(しほろ)町の遠藤牧場です。

 農場では、搾乳牛の育成預託牛(6か月齢~分娩2か月前。主に他府県からの預かり)を350頭ほど飼養されています。

 遠藤さんは、とにかく聡明でチャレンジ精神が旺盛、行動力があり、牛や人への愛情が深く、私が最も尊敬する人の一人です。

 2008年秋に「既製にとらわれない人にも牛にも環境にも優しい牛舎にしたい」との思いから、発酵床牛舎を新築されました。

 発酵床によるメリットは、①牛の脚の故障が少なくなった、②発酵床から排出された堆肥の発酵が促進され、良質な堆肥が出来上がった、などが挙げられます。

 一方、デメリット・・・というか気を付けていることは、より良いメンテナンスを目指して様々な方法を試行錯誤されている点です。

 例えば、発酵床は完熟堆肥をベースとしていますが、特に夏は、なるべく敷料(麦わら使用)の追加を行わないようにして、①敷料コスト削減、②敷料投入の手間軽減、③良質な堆肥生産、などを実現されています。

 また、始めた当初は、好気発酵を促し、敷料コストを削減する目的で、発酵床をサブソイラで撹拌していました。が・・・、試しに止めてみたところ、①蹄病(PDD)が激減した、②発酵床の乾き具合が良くなった、などの改善が見られたとのことです。これには遠藤さん自身もとても驚かれていました。

 今後も固定概念にとらわれることなく、より良い方法を目指し、どんどんチャレンジして進化していく遠藤さんには目が離せませんね~!

 さらに昨年の春からは、地元の畜産大学を卒業し、1年間現場で研修を経たご子息の洸介さんが就農されており、ますますパワーアップです!!

発酵床レポート! 第10話

  遠藤牧場 http://www9.plala.or.jp/endou222/index.html

つづく

株式会社アース技研 植田 秋良

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