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松本大策のコラム
「生産性を阻害する要因(病気)を抑える (7−8)」

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2012年1月30日

− 第7章 ワクチン実施上の注意 その8 −

 肥育の導入が、繁殖農家の群編成と比較して不利な面というのは、1つは前述した「いろんな農場から違うバイ菌を持ち寄る」ということですが、他にも不利な点があります。というのも、繁殖農家さんの場合、群編成以前にワクチンを接種するという予防策をとることができるのですが、肥育の導入ではこれが難しいのです。肺炎5種混などの予防注射をしてくれる市場もありますが、そういう進んだ考えの所でも、ヘモにいたっては不活化ワクチンですから2回打ちが基本なのにもかかわらず1回の接種で市場に出てくるのです。また、肺炎5種混にしても市場に出す直前に打ってあったとしたら、まだ免疫が上がる前の状態で群編成などのストレスにさらされてしまうわけです。

 みなさん、肥育の導入時がいかに肥育素牛にとって危険な時期かおわかりになったでしょう?

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