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松本大策のコラム
「生産性を阻害する要因(病気)を抑える (7−4)」

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2011年12月19日

− 第7章 ワクチン実施上の注意 その4 −

 この状況が最も多く見られるのが、ロボット哺育のカーフコートと育成への移動時の2点です。ついで肥育導入時が挙げられるでしょうか。

 ロボット哺乳から見てみましょう。この方式は、広場に仔牛を追い放して、首にICタッグをつけておき、子牛が乳を飲みに来たときにロボットがセンサーで子牛のIC情報を読みとって「この子牛は鏡は何リットル飲ませるんだ」と判断して自動で哺育してくれるものです。ただ、問題は「子牛は一度には生まれない」と言うことです。よく見かけるのが「新しく生まれた仔牛がいるとロボット哺乳の広場に追加する、大きくなった子牛は広場から出して育成に回す」というやり方です。新規に子牛を導入すると、群れ全体の免疫が半分程度に低下します。3週間ほどで回復するのですが、せっかく回復しても、新しく生まれた仔牛を追加すると、再び群れ全体の免疫が低下してしまいます。これが延々と続くのですから、群れの免疫がなかなか落ちつきません。こういうときにせっかくワクチンを打っても免疫抑制が起こっているのでワクチンの効果が現れないのです。

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