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池田哲平のコラム
牛の解剖107:生殖器

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2013年3月29日

 今回からは牛の生殖器について、教科書的なところから、臨床現場ならではのところまで、色々と紹介していきたいと思います。産業動物である牛の場合、いかに上手く繁殖を回していくかが経営にとって大切なので、それに関わる生殖器というのは、とても大事な器官になります。逆に言えば、生殖器はそれほど大切な器官なので、当然、多くの研究がなされていて、現場の獣医の先生方でも、私なんかよりもよっぽど多くの症例を見てきて研究もされてきた方も多いと思います。ですので、今回から数回は、その基本的なところの再確認やおさらい程度に捉えてもらえればと思っています。

 前回までお話ししてきた泌尿器と、今回からお話しする生殖器は、よく二つ合わせて「泌尿生殖器」と称される時もあります。それは、一つの臓器の中に泌尿器と生殖器それぞれの役割を果たす器官が見られたり、牛が母胎内で発生してくる過程で、泌尿器と生殖器のどちらか一方の発生過程がもう一方に影響を与えたりする事もあることから、大きくまとめて体系化した方が都合が良いからなのです。

 次回から、オスとメスに分けながら少しずつ生殖器のお話しをしていきたいと思います。

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