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発酵床レポート! 第9話

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2013年3月26日

集約放牧と発酵床の組合せ!

 さて、今回ご紹介する農場は、北海道釧路管内標茶(しべちゃ)町の長坂牧場(代表:長坂浩行さん)です。

 農場は、搾乳牛75頭、育成牛56頭を飼養しておられ、年間の出荷乳量は、約510tです。
 経営のモットーは、ずばり「牛を牛らしく飼うこと」です。その為には、牛が本来持っている能力を最大限に引き出すことが大事と考えられ、その手段として、「集約放牧」と「発酵床」を組み合わせておられます。

 集約放牧は、浩行さんの父、正行さんが、25年前から地域でもいち早く導入していました。発酵床牛舎は、2010年2月に「放牧ができない冬期の牛の安楽性」を考えて新築されました(以前は繋ぎ牛舎)。

 発酵床にしたメリットは、①牛がきれいになった、②生乳中の生菌数が下がった、③牛がおとなしくなった、④起き上がれない牛がいなくなった、⑤定期的に発情が来るようになった、⑥蹄病がほとんどなくなった、⑦臭いがほとんどなく人にも優しい環境になった、ことが挙げられるようです。どうやら劇的な変化があったようですね!

 発酵床牛舎は、風通しや水はけが良い高台に位置しており環境抜群です。また、毎日発酵床の上の糞便は取れるものは取っておられるので、敷料の投入量は最小限に抑えられております。

 今後の目標は、3つ挙げられるとのことです。
 ひとつは、経費削減です。その為には、①牛へのストレスを無くし、②地力を高めて良質な草を作り、化学肥料の使用量や濃厚飼料の給与量を減らしていきたいとのことでした。
 ふたつめは、人もストレスなく働ける環境をつくることと、地球にも優しいエコな酪農を目指したいとのことでした。
 そして最後は、上記の努力の結果、生産された自家産の牛乳を使ってチーズなどの乳製品をつくり、広く多くの人に召し上がって頂ければ・・・とのことでした!!

発酵床レポート! 第9話

つづく

株式会社アース技研 植田 秋良

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