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松本大策のコラム
「生産性を阻害する要因(病気)を抑える (7−2)」

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2011年12月5日

− 第7章 ワクチン実施上の注意 その2 −

 「それからストレスがかかる時を避ける」ということも大変大切なことです。またまた免疫のお話しに戻りますが、じつは免疫とストレスには大きな関係があるのです。ストレスにもいろいろありますが、いずれにしてもストレスがかかるとストレスと闘うために「副腎皮質ホルモン」というものが体内で分泌されます。この「副腎皮質ホルモン」は、血糖値を上げたり炎症を抑えたりしてストレスの影響を軽減させるのですが、同時に「免疫を低下させる」という作用も持ちます。

 前に免疫のお話しで、臓器移植の時に「免疫がじゃまをするので、他人の臓器が攻撃されて定着できない」というお話しをしました。いわゆる「自己と非自己の識別」という働きですね。このときに他人の臓器を定着させるために「免疫抑制剤」を使うというお話しもしたと思います。じつは、この免疫抑制剤というのが「副腎皮質ホルモン」なのです。もちろん副作用の少ない合成品ですけどね。

 ですから、何が言いたいかというと、ストレスがかかる副腎皮質ホルモンが出てくる免疫抑制が起こる、ということなのです。

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