2013年3月25日 松本です。経産牛肥育(老廃牛肥育とも言いますけど、なんかお母さん牛に失礼ですよね)は昔から行われています。しかしながら、経産牛の本当の実力を引き出している経産牛肥育には、なかなか出会えません。 経産牛肥育の難しさは、これまで粗飼料主体の粗食に耐えてきたお母さん牛に、おいしい配合飼料を与えることで、急激に食い込みすぎてしまって、すぐにくい止まりが来てしまうことです。 それから、もともと繁殖牛自体に「骨軟症(正確には骨軟骨症だと思われるのですが、いつもわかりやすく骨軟症と呼んでいるので、そう呼ばせてください)」が多く、このために受胎しないで肥育に回されるお母さん牛も多いのですが、骨軟症を持った経産牛を肥育すると、1ヶ月くらいで足が曲がってきたり、立つのがしんどくなったり、食べてもお肉がつかなくなったりします。 以前、大手の牧場で経産牛肥育に取り組んだとき、肥育開始時点で全頭にビタミンD3を500万単位、ビタミンAを100万単位与えてから肥育したところ、骨軟症で中途廃用する牛さんがほぼいなくなりました。 こういったコツは必要ですが、経産肥育では通常の肥育よりも少ない飼料でお肉を生産できますし、特に北海道の乳牛の経産牛は、まだまだ若くして更新されますから、肥育効率も高いのです。しかし、十勝で枝肉の検品をしたときは、まだまだ肉のりも悪く、脂肪も黄色いホルス経産牛の枝が並んでいました。きちんと肥育しマーケティングをすれば、大きな利益になると思います。 経産肥育が順調に行われるようになれば、母牛の更新も順調になり、良質子牛の生産も増えます。高級肉を作るのにも有効だと思うのです。
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