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松本大策のコラム
「生産性を阻害する要因(病気)を抑える (5−2)」

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2011年10月31日

− 第5章 免疫のお話し その2 −

 体の中では、いつも血液中や臓器の中を絶えず見回って、敵(つまり病原体)を発見し、これらの免疫細胞(前述したTリンパ球やBリンパ球などの白血球の仲間)に敵の情報を与える役割を持った白血球の仲間がいます。それがマクロファージというものです。マクロファージは、病原体を見つけると「敵がいたぞー」と騒ぎだし、好中球やTリンパ球を呼んで病原体を食べてもらったり、Bリンパ球に病原体の表面の形などの情報を与えて「抗体」を作らせたりするのです(この働きを抗原提示といいます)。前にもお話ししたように、「抗体」はそれぞれの病原体に合わせて作られるオーダーメイドです。ということは、その牛さんが出会ったことのない病原体については情報がないために抗体を作ることが出来ません。

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