− 第4章 抵抗力のお話し:第一部免疫以外の部分を中心に総論 その1 −
さて、それじゃぁウイルスにはどうやって対抗するの?というお話しになります。じつは、ウイルスに抵抗するには、牛さんの持っている抵抗力しかないのです。抵抗力って何?というのも一言で言うのは難しいのですが、ゆっくり考えていきましょう。とりあえず図に個条書きで書き出した後で詳しくお話ししていきましょう。(図:抵抗力とは?)
まず、細菌が取り付く場所である「粘膜」つまり眼や鼻、気管から肺、口の中から大腸までの表面が丈夫であるということが大切です。粘膜が丈夫だと、病原体もなかなか侵入できません。しかし、ビタミンAや亜鉛が不足すると粘膜に不全角化といってフケが出たような状態(パラケラトーシスといいます)に陥ります。第一胃にこれが起こると、第一胃粘膜からバイ菌が入って血液に乗って肝臓に膿の固まりを作ります。これが肝膿瘍です。また肺や腸の粘膜にふけが出た状態になると肺炎や腸炎が起こりやすくなります。