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発酵床レポート! 第5話

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2013年2月26日

発酵床の状態を左右する要因②

 今回は、発酵床の状態を左右する要因(メンテナンス)のお話をいたします。
 メンテナンスについては、①対象牛の違いや密度、②天候(季節)、③敷料の種類や投入量、④労働力、⑤頻度、⑥除糞方法、などです。

 対象牛の違いは、言い換えれば糞尿の性状や排せつ量の違いです。ホルスタインの高泌乳牛と黒毛和種の繁殖牛とでは大きく違いますから、おのずと床の状態や管理の仕方も違 ってきます。また、健康な牛とそうでない牛も明らかに違いますよね!
 密度については、母牛で6~9㎡/頭(発酵床部分のみ)の現場が多いようです。

 天候(季節)は、雨天時や厳寒期に発酵床の水分が高くなりやすいので、あらかじめ敷料の投入量を多くするなどの対策が必要です。また、厳寒期に凍結してしまった発酵床が融けだす春は、特に注意して早めに対処することをお勧めいたします。

 敷料の種類については、オガクズ、カンナクズ、麦わら、乾牧草、バーク、もみ殻などでそれぞれ特徴が違います。吸水性に優れ、除糞時のメンテナンスが容易なオガクズやカンナクズ、バークなどの木屑を使用する方が多いです。麦わらや乾牧草、もみ殻は、吸水性に劣るので、多めの投入をお勧めいたします。どの敷料を使うかは価格と安定入手可能かどうかもポイントになってきます。また、場所や労力の余裕があれば、戻し堆肥を作って敷料として再利用するのもいいでしょう。

 労働力については、風通しや陽当たりなど牛舎環境を良くして、メンテナンスにかける労力を最小限に抑えて、良い状態を保っている農場があります。一方、労力に余裕がある農場は、敷料量の使用量を抑えるため毎日手作業で除糞しています。

 頻度や除糞方法については、多い農場で毎日、少ない農場で1~2週間に 1 回の頻度、除糞方法はタイヤショベル又は手作業です。労力や牛の密度、対象牛の違いなどで決まるようです。

 次回からは発酵床の農場紹介をいたします!

発酵床レポート! 第5話

つづく

株式会社アース技研 植田 秋良

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