(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
発酵床レポート! 第4話

コラム一覧に戻る

2013年2月19日

発酵床の状態を左右する要因

 さて、今回は発酵床の状態を左右する要因についてお話いたします。

 発酵床の状態は、水分状態や弾力性など農場ごとで微妙に違います。それは、農場ごとで発酵床に対する考え方、立地条件、牛舎施設や構造、メンテナンスにかかる労力、対象牛など、発酵床の状態を左右する要因が様々だからです。

 発酵床に対する考え方は、主に牛の調子とコスト(敷料、メンテナンスにかかる手間)との兼ね合いで農場によって状況が違うということです。発酵床の状態だけでなく牛の調子を見ながら、できるだけコスト削減を図ることが重要になります。

 立地条件については、①高台に位置している、②水はけ、③風通し、④陽当たり、⑤気候、⑥牛舎の方角、⑦メンテナンス時に効率的な作業導線になるか、などです。新しく発酵床牛舎を建てる時には、水はけが良い高台で、風通しや陽当たりが良い所を選べば、後々のメンテナンスが楽になるでしょう。

 牛舎施設については、①木造、②鉄骨、③D型、④ビニールハウス、⑤シングルかダブルか、⑥牛舎外の運動場の有無、などです。例えば、木造とD型では牛舎内の気温差が違うので発酵状態も変わってくるでしょう。

 牛舎構造については、①陽当たり(採光屋根や壁など)、②風通し(巻き上げカーテン等)、③発酵床の構造(深さ、堆積高、種堆肥の有無、埋炭、土間コンクリートの有無、間取り、密度)、④水槽(発酵床側から水が飲めないようにする)、などです。やはり陽当たりや風通しを良くする、種堆肥を土台にする、深さ(堆積高)を40~100cmにするなど、発酵に必要な環境を整えることがポイントになります。

 以上、紹介したことはいずれも、牛舎環境を良くして後々のメンテナンスの手間とコストが抑えられるだけでなく、何より牛にとって快適な環境になりますよね!

発酵床レポート! 第4話

つづく

株式会社アース技研 植田 秋良

|