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松本大策のコラム
「生産性を阻害する要因(病気)を抑える (2−1)」

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2011年6月20日

第2章−感染症の病原体 その1 −

 感染症というのは、いわゆる病原体が動物に文字通り感染することによって起こる病気の総称です。感染症を起こす病原体はいろいろとありますが、大きく分けて考えることが出来ます。

 まず、いろいろな感染症の中で最も防ぎにくい病原体の一つがウイルスです。ウイルスは、僕たちが子供の頃は「ビールス」と呼ばれていました(懐かしい方もいるでしょ?)人間の風邪やインフルエンザなどもウイルスが原因です。牛さんでは肺炎の原因として、牛ヘルペス1型(いわゆるIBR:牛伝染性鼻気管炎のウイルス)やRSウイルス(一気に流行が広がり、重症のものではピンク色の泡(出血混ざっている)を吹いて死んでしまいます)、パラインフルエンザウイルス(輸送成敗炎の原因)、BVD−MDウイルス(牛下痢粘膜病)などが有名ですし、下痢であれば、冬場に多いロタウイルス、コロナウイルスがよく知られています。他にも有名な口蹄疫もウイルスですし、流産を起こす流行熱やアカバネ病、チュウザン病、アイノウイルス症などもウイルスが原因でおこります。(つづく)

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