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松本大策のコラム
えさ代が高騰してるので..

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2013年2月18日

 ここ数日、何件もの農場から「円安で飼料価格が高騰しているので、安い飼料に変えたいのですが。」という相談をお受けしています。
 農家さんにとっては本当に切実な問題ですので、メールのご質問にも電話をおかけして、一緒に考えるようにしているのですが、まず僕からお伝えするのは次の2点です。

(1)飼料変更でどのくらいの金額が節約できるかを具体的に計算してみましょう。
  みなさんは、その飼料の使用量を把握していますか?たとえば、子牛の育成飼料を4ヶ月齢から9ヶ月齢まで6ヶ月間日量4kg使用するとすれば、720kgです。10円安い餌での節約効果は7,200円ですね。これで、同じグレードの子牛が育成できるかを検討してみなければなりません。
  お母さん牛の餌に至っては、日量1~1.5kgしか与えません。1.5kg与えたとしても、547.5kgですから、10円安い物に変更したときに、5475円の節約になります。しかしこれで分娩間隔が20日延びると2~3万円のコスト増加になります。
 明確に尿石や、ある一定の病気が出やすい飼料という物もあります。そういう物に、「安いから」と飛びつくと、かえって高くついてしまうものです。

(2)みなさんの子牛や枝肉を購入してくれるお客様を書き出してみてください。
  みなさんの製品(子牛や枝肉です)を受け入れて購入するお客さんを集計してみると、意外とリピーター顧客である農場が多いと思います。よくパレートの法則というのですが、みなさんの製品の80%は、みなさんの製品購入者の20%程度である、といわれています。
 もしみなさんの農場もそうでしたら、その20%の上客の方に相談してみる方が良いかもしれません。顧客の方々だって管理方法を知らないうちに変えられているよりは、相談を受けた方がうれしいでしょうし、顧客ならではのアドバイスをくださるかもしれません。
 商売でよく言われることですが、「大切なのは、いまのシェアや売り上げではなく、今の顧客の満足度」だそうです。ここを裏切ると、売り上げも長続きしません。

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