第1章− 巻頭言 その2 −
このように、病気は生産性を大きく低下させるのですが、牛さんの病気も大きく分けるとバイ菌やウイルスなどの病原体が感染して起こる、いわゆる「感染症」というものと、生き物が生きていくためのいろいろな体内の仕組みが狂ってしまうために起こる「代謝病(たとえば肝炎とかルーメンアシドーシスとか、ビタミンA欠乏症、自律神経失調症など)」に分けられます。
この連載では、このなかで被害も大きく、また比較的対応策が整っている「感染症」についてお話ししてみたいと思います。
お話しの順序としては、まず「感染症」の種類とその原因、それから身体の抵抗力のお話し、そして具体的な対策として、子牛から肥育の発育に影響を与える「腸炎(下痢)」と「肺炎」に絞った身近なお話しをしていきたいと考えています。感染症にもいろんな種類があります。まずみなさんがよくご存じの腸炎と肺炎。これにもいろんな種類があるのですが、詳細は後に回しましょう。他にも化膿症とか、アカバネ病やチュウザン病、アイノウイルス感染症みたいに流産で有名なものもあります。また、有名な口蹄疫なども感染症です。流行性ナントカと名前の付く病気はすべて感染症と考えてかまいません。(つづく)