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発酵床レポート! 第2話

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2013年2月5日

   
発酵床の特徴(メリットとデメリット)

 さて、今回は発酵床の特徴(メリットとデメリット)についてお話しいたします。

 発酵床にする最大の目的は、「牛へのストレスを減らし健康増進を図ること」ですが、それでは実際に現場で起きているメリットとデメリットを挙げてみましょう。

 メリットの一つ目は、牛の健康増進です。具体例は、①牛がおとなしくなった、②発情が明確になった、③受胎率が良くなった、④蹄病が減った、⑤脚の病気が減った(寝起きが楽になった)、⑥寒冷ストレス(エネルギーロス)が少ない、⑦牛の寿命が延びた、等といったことです。これらの背景には、良い環境を与えることでストレスが緩和され、牛そのものの能力が最大限に発揮されたことが考えられます。皆さんも1日の約3分の1(牛なら2分の1以上!?)の時間を過ごす寝床が、フカフカのベッドか、濡れた薄っぺらいものか、どちらがストレスなく健康的に過ごせるかご想像がつきますよね!

 つづいて二つ目は、発酵床から排出した堆肥が発酵しやすいということです。これは、発酵物なら何でもそうですが、一次発酵(発酵床)が上手くいけば、二次発酵(発酵床から排出した堆肥)もスムーズにいきやすいということです。その後、積み方や切返し等のハンドリングを行ない熟成させれば、良質な堆肥生産につながります。それを畑に散布した場合はもちろんのこと、販売する場合も大きな利益に繋がりますよね!
 このほか酪農現場においては、建設費が安い(フリーストールに比べて)といったことが挙げられます。

 次回はデメリットのお話をいたします。

発酵床レポート! 第2話

つづく

株式会社アース技研 植田 秋良

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