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松本大策のコラム
「マスクをつけよう!」

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2011年2月21日


 みなさん、毎日のお仕事ご苦労様です。牛飼いさんのお仕事と言えば、乾草の給与は大切な日課ですよね。最近では、乾草のカビやカビ毒が問題になっていて、牛さんにもカビ毒吸着剤を与えたりする農場も多いことと思います。しかし、乾草に生えたカビの被害を受けるのは牛さんだけではありません。

 じつは、毎日吸い込んでいるみなさんも同様に危険にさらされているのです。乾草にはえるカビや細菌を吸い込むことによって起こる恐ろしい病気、その名も「農夫肺」。急性のものもありますが、数年間無症状で急に発症して時に死に至る恐い病気です。カビやバイ菌による「感染症」でしたら、それらの病原菌を殺す薬もあるのですが、「農夫肺」はカビや細菌のアレルギーが原因ですし、肺に肉芽(腫瘍みたいなものと思えばいいです)などを作るやっかいなもので、発症するとなかなか治療が困難なのです。

 農夫肺にかからないようにするのは簡単です。「マスクをつけよう」、これだけです。完ぺきとは言いませんが、とても大きな効果があります。使い捨てでも外科用の箱入りのやつでしたら価格も安く使いやすいです。

 マスクにはもう一つ大切な意味があります。それは、口蹄疫などのウイルスを人間のノドで増殖させないこと!口蹄疫ウイルスは人間にも感染し、ノドで2週間程度増殖します。宮崎の口蹄疫からもうすぐ1年。みなさん、防疫の気はゆるんでいませんか?防疫のためにも、そしてみなさんの健康を守るためにも、「マスクをつけよう!」運動を展開しましょう。

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