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業の深い仕事?(3) |
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2013年1月8日
~運命~
僕は小さい頃から、生き物が大好きでした。
ファーブル昆虫記とかシートン動物記はおそらく全部読んだと思うし、テレビ番組でも動物とか自然を扱ったドキュメント番組等を好んで見ていました。生きもの地球紀行とかテレビに食い入るように見ていましたね。
うちには歳で要介護状態になったシェットランドシープドッグがいますし(今は離れて暮らしていますが)、クワガタムシやカブトムシはよく取りに行ったし、モルモットやフェレットまで飼っていたこともあります。
高校では生物の授業が楽しくて仕方なくて、参考書のどこに何が書いてあるかまで覚えていました。
そして大学は農学部に進み(専門は食品化学方面でしたが)、今は飼料メーカーに勤務して、やっぱり生き物の近くにいます。
でも、ですよ。
人間社会は残酷なもので、こと家畜に関しては、人間に食べられるためにいるわけです。
僕が農場で取り上げた子牛も、いずれ殺され、食べられる運命なんですよね。
もう、生まれる前から、あのコの一生は決まっている。
死ぬために生まれてくるようなものです。

(つづく)
中部飼料株式会社 本社工場 養牛課
田内 遊
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