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松本大策のコラム
「系統ごとの肥育方法 その5」

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2010年12月27日

 系統ごとの肥育方法と言っても、今の子牛は、というより種雄牛自体が3元交雑になってしまっている現状で、いったいどの系統に合わせたらよいのでしょう。

 僕も最適な答えは持っていませんが、やはり原点にもどって、「この子牛は、どの種雄牛に似てるか?」で考えるべきだと思います。顔つきや体型、増体などを見ながら、その子牛がどのような系統のタイプかを見ていくしかないと思っています。実際、コンサル先でもそのような作業を農場の方と一緒にしています。

 それから、畜主さんの性格と、肥育しやすい牛さんの相性ですが、気の短い方は大型の気高タイプの方が合うと思います。気の短い人は、どうしても飼料の打ち込みも早めになってしまいますからね。逆に気の長い方は小型の但馬タイプでじっくり仕上げていく方が合っていると思います。

 もしご自分の農場で、背丈が高く体長が長いけれど肉のりが悪い牛さんが何頭かいて、それが気高タイプでしたら、打ち込みを早くするか、購入する牛のタイプを変えて小型の肉質タイプに変更した方がよいと思います。

 逆に、小型の牛が豚の貯金箱みたいな体型で、締まりが悪くサシも少ない場合は、打ち込みが早すぎるのですから、少しゆっくりと増飼していくか、購入する素牛を大型の気高タイプに変更するかした方がよいでしょう。

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