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牛さんでは、結膜炎が多発する時期が年に2回あります。1回は初夏から秋口にかけて発生するもので、バイ菌(モラクセラ・ボビスという菌が多いです)が原因です。媒介するのは、小さなハエの仲間であるマダラショウジョウバエという昆虫です。この菌の場合は、OTCなどの抗生物質や乳房炎軟膏を目薬のように入れてあげると治ることが多く、症状が悪化したものでは抗生物質や消炎剤の注射も併用します。 これに対して、冬場から春先にかけて牛群に蔓延しやすいのが「IBRの眼病型」というものです。下の写真のように、鼻鏡(鼻の頭)がひび割れたり、まぶたに浮腫が起こる場合もあります。こちらの原因は、牛ヘルペス1型というウイルスですから、抗生物質は効果がありません。それでも抗生物質を治療に使いながら、牛さんの免疫があがるのを待ちます。抗生物質を使うのはバイ菌が二次的に感染して症状が悪化するのを防ぐためです。 IBRは牛さんの肺炎の原因としても重要なウイルスですから、ボビバック5や肺炎5種混合ワクチンなどのワクチンで予防しておきましょうね。もしもとても治りにくい場合は、個別にご連絡下さいね。一緒に考えてみましょう。 |