哺乳ロボットの所でも書きましたが、子牛を初めて群れにするときは「群編成ストレス」に注意しなければなりません。このことは以前のコラムでも書いたのでそちらを見ていただくとして、自然哺乳や個別に人工哺乳している子牛たちを育成に上げるとき、初めて群れにする農場も多いと思います。
問題は、この時に「せっかく捕まえたから」と、肺炎や下痢のワクチンまで一緒にやってしまうケースが多いことです。以前お話ししたように、群れを作るときは、群編成ストレスの影響で免疫が低下するため、本来免疫を上げるためのワクチンの効果が現れにくいんです。
できるだけワクチンは群れを作る2週間程度前までに済ませておきましょうね。それから、2つ以上のワクチンを一度に打ってはいけません。場合によっては死ぬケースもありますし、ワクチンを打つと免疫細胞が忙しく「抗体」を作るので、何種類ものワクチンを打つと、免疫細胞の手が回らなくなって効果が上がりにくいんです。
子牛のお話しには関係ないけど、「お母さん牛には生ワクチンは打ってはいけない!」と覚えておきましょうね。お母さん牛さんには不活化ワクチンを打ってあげないと、生まれてくる赤ちゃんが免疫不全(PI牛と言います)になってしまいます。