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みなさん、口蹄疫の蔓延を防ぐために夏祭りや花火大会の自粛など、一般の方にも多くのご協力をいただいています。このことには、素直に感謝し私たちも出来る努力を倦み疲れることなく続けましょう。 宮崎県ではもちろんのこと、周囲の県においても競り市の開催が延期されたままになっています。また、出荷しても枝肉単価が上がらない(特に九州県内)とか、農協の預託事業なので、セリで仔牛が買えないと出荷するたびに飼育頭数が減るため、月々の生活費がままならないから仕方なく出荷をのばしている、などの声が肥育農家さんから挙がっています。 出荷が延びている牛さんへの対応を少しまとめましょう。繁殖農場の方は、子牛セリが2ヶ月以上延びていますから、子牛の月齢が11〜12ヶ月齢に達しているはずです。宮崎系の牛さんや田尻系の子牛は、まだそこまで配合飼料で追う時期ではないので、粗飼料とフスマやビール粕を中心に大豆粕を250〜300g程度与えていきましょう。このタイプの牛さんは、本格的に肥育の飽食にするのは15ヶ月齢くらいからですから、しっかりと骨のびを作り、背中はまだあまり丸くしない程度に餌を調整します。 鹿児島系の大型牛の場合は、去勢牛で12ヶ月齢、雌でも13ヶ月齢くらいから配合飼料を追い込んでいきます。ですから、本来ならこの時期は、配合飼料(肥育の基本飼料か前期配合)を7〜8kgは与えるのですが、餌を増やす速度は牛さんによって違います。肥育農家さんでしたらこのあたりは感覚的になれているのですが、繁殖農家さんが肥育農家さんの導入期の管理をなさるわけですから、ムリに追い込むと14ヶ月齢くらいからぱったり食欲が低下してしまうこともあるのです。そうならないために、発酵ビール粕を1割程度混ぜて与えましょう。そうすると、もしも多少追い込みがきつくても、さほどムリはしないようです。 さて、問題は出荷が遅れた肥育牛です。以前、子牛価格の高騰で元牛が導入できず、預託料の関係で出荷が延びたことがあります。このときはビタミンA欠乏やカルシウム欠乏による急死がたくさん出ました。そろそろ出荷延長が3ヶ月になります。この時期が危ないです。また、運の悪いことにちょうど夏の暑さがおそってきます。よい物を作りたい気持ちはみなさん同じだと思いますが、死なせてしまうと元も子もありません。ビタ欠や食欲低下(出荷前の正常な食欲低下は別です)の牛さんにはビタミンA150万単位程度とビタミンE注10ml、パンカル注10ml程度を与えてあげた方が安心です。ビタミンAやカルシウムが欠乏すると、心臓が弱って急死したり、急性肺水腫(以前のコラム2007年9月3日参照)で呼吸困難で死亡したりします。どうか、経営を護ることに全力を注いで下さい。 |