口蹄疫の発生と報道を受けて、大勢の方々から善意の募金と署名が寄せられました。とてもうれしく、心が温まる出来事です。あとは、募金に関しては適正な配分や用い方をしていただけるように祈るばかりです。
ただ、僕はいま少しだけ懸念していることがあります。それは、一度募金や署名をして下さった方の、口蹄疫への関心が薄れることです。実際、未だ口蹄疫は終息したわけではありませんし、本当に多くの方の協力が必要になるのは、口蹄疫の終息後だと思うのです。そのときに、すでに募金や署名をして下さった方が「自分はもう義務を果たしたから..」という意識を持ってしまわれていたら、一番国民が一致協力して働きかけなければならないときに、民意の結集がはかれない、と心配するのです。
今回の口蹄疫は、終息したあとに、真実に基づいた疫学調査を実施すること、(あってはならないことかも知れませんが)次回発生したときのために国際的に理解が受け入れられる有効な措置を確立すること、農家さんだけでなく、関連産業や肉用牛業界全体に対する支援策を立てること、口蹄疫対策で生じた環境汚染への対策など、たくさんの課題が残されています。
この時に、真実の対策を立てるためには、多くのみなさんの協力と監視が必要です。口蹄疫は大変な災害ですが、だからこそしっかりと教訓を生かすべきだと思いますし、そのためには、すでに募金や署名をして下さった方が、引き続き口蹄疫への関心を失わないで、ともに働いて下さるように心からお願いいたします。